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好きなときに好きなだけ書いてます。 なんでも許せる方向け。
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 池田と富松がやりあって池田が死んだ続き。

 死んだ池田をひっそりと埋めた富松が戻ろうとすると、城の方角から喧騒が。池田のいた城の狙いは、奇襲をかけて戦力を削ぎつつ、混乱の隙に兵を送って城を落とすこと。
 慌てて城に戻った富松だが、城が落ちるのが時間の問題という事は明白だった。そこで富松の城は味方の城に援軍を呼んだ。それが次屋と神崎のいる城。

 三ろはこっそり雇われ先を教えあっていたので、報せを受けた次屋神崎は忍の頭の制止を振り切って飛び出した。富松の城に辿り着くまで2人は走り続けた。
 卒業してから次屋も神崎も、方向音痴は治らないまま、無自覚と決断力でそれまで突っ走っていた。

 そんな2人に不安が過る。学園にいた頃、2人は一度として自ら富松の所に辿り着いたことはなかった。いつだって、自分たちの所に来てくれたのは富松だった。今、方向を間違える訳にはいかない。
 
 初めて、次屋は自分の方向音痴を自覚し、神崎は決断を躊躇った。けれど止まることは出来ない。止まっている間にも、富松のいる城には敵兵が押し寄せている。日が傾く頃に援軍の要請を受け、日暮れにようやく2人は辿り着いた。そこにあったのは、城内に攻め込み始めた敵兵と、陥落寸前の城だった。

 味方の城主も忘れて、必死に2人は富松を探す。敵兵を押し退け、城中を駆けた末やっと見つけた富松は、城の裏手で城主を逃がすための護衛をしていた。駆け寄る2人。富松も2人に気付き、一瞬だけ安堵を浮かべるも、すぐさま背を向けた。

 訝しむ暇もなく響いた発砲音。富松は城主庇って倒れた。

 手当をしようと駆け寄る次屋と神崎に、富松は、俺はいいから城主を守れと一喝する。そこで、2人は自分ら忍に与えられた命を思い出した。頷く2人に最期、今日は俺のとこ帰って来れたな、と笑って目を閉じた。

 目の前の出来事を悲しむ間もなく、神崎は城主の護衛に走り、次屋は援軍が来るまで敵兵を食い止めた。援軍が到着し、激しい攻防の末城は陥落したものの、城主の安全は確保出来た。
 城主の護衛にあたっていた神崎は後にかなりの褒美を得た。

 けれど、自分の城に戻った時次屋の姿はなかった。

  

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