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好きなときに好きなだけ書いてます。 なんでも許せる方向け。
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神崎が敵と相打ちになった事など知る由もない浦風は、タソガレドキへと向かっていた。どうしても川西の無事を確かめたかったし、もし自分の様に囚われているのなら助けたかった。夜の獣道を走る歩が早まる。しかし、抜忍抹殺の命を受けたもう1人の追手が浦風に追い付いていまう。

突如感じた気配に苦無を構えたが、相手の方が速かった。地面に仰向けに倒され、首筋に切っ先が触れるがそのまま硬直したように動かない。切っ先を構えていたのは後輩だった時友であった。時友は卒業後、どこの城にも属さずフリーの忍者として生活していたのだった。

浦風を抜忍として始末することが決定した時、浦風のいた城は、仲間内では情が邪魔して失敗することを懸念し、フリーの忍者を雇って実行した。その忍者が時友だった。どんな任務でも任務が与えられれば確実にこなしていた時友だったが、かつて自分を可愛がってくれた先輩を殺めることだけは出来なかった。

嘘の報告をして自分を見逃そうとする時友を見て、浦風は潮時を感じた。抜忍を見逃したこと、嘘をついたことがバレてしまえば時友だってただでは済まない。これ以上、自分の命のために後輩を危険ない立場に追いやることは出来なかった。

信じたくない頭のどこかで、いくら待っても川西が来ないことはわかっていたのだ。もし、川西に会うことがあったら、約束をやぶってすまなかったと言っておいてくれ、と時友に言伝を頼むと、浦風は持っていた自分の苦無を首筋にあてがい一気に引き裂いた。
その苦無は、必ず逃げ切ってください、と川西がくれたものだった。

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