好きなときに好きなだけ書いてます。
なんでも許せる方向け。
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川西のはからいでタソガレドキ城から逃げられた浦風は、三反田の診療所目指して走る。追手に追いつかれることこそなかったが、病み上がりのせいで目的地までの体力が限界に。それでも、川西が後から来ると信じてる浦風はなんとか足を踏み出す。
診療所へ向かう林の中で、ふいに人の気配を感じ苦無を構える浦風。茂みの中から現れたのは、なんと神崎だった。
「左門……どうして?」
「お? 藤内か!? 久しぶりだなー!!」
「あ、うん、久しぶり…だけど、どうして左門がここに?」
「ちょっと三之助を捜しててな! 私、三之助と一緒の城に雇われたんだ」
相も変わらず呑気な口調に、安心すると、とっくに限界を超えていた疲労がどっと襲って来て、浦風は膝を着いて倒れ込んでしまう。浦風の異変に駆け寄る神崎。意識はあるらしく、浦風を背負うと指示に従いながら彼の目的地へと向かった。そして2人は三反田と数年ぶりの再会を果たす。
小さな村の端にある三反田の診療所は、敵味方関係なく治療を行っている所。突然の同級生との再会を喜びつつも、てきぱきと浦風を布団に寝かせ、適切な治療を忘れない三反田。お互い、事情を深くは聞かないが、それでも浦風が完全に回復するまでの間思い出話をしたりと、暫し3人での幸せな日々が続いた。
けれど、浦風がの体調が元に戻る程の時間が過ぎても川西は診療所には来なかった。しかしこれ以上は三反田のところにはいられない。使命を放り出して逃げた今、自分は抜忍として始末されるだろう。浦風は自分を助けた三反田に疑いの目がかからないよう手紙も何も残さず立ち去る決心をする。
浦風が立ち去ると決めた日は穏やかに過ぎていく。昼頃に神崎が団子を買いに行くと言ったきり迷子になって帰って来なくて、またかと三反田と笑ったり学園にいた頃の様だった。名残惜しいと思いつつも、夜三反田が早めの床に着くと、浦風は診療所を立ち去った。
同じ頃、団子一つに山やら川やら行ってやっと帰って来た神崎は、診療所の周りの空気がおかしい事に気付く。物陰に、忍が1人潜んでいた。浦風を捜す追手だった。数馬が危ないと、咄嗟に勘付いた神崎は隠し持っていた苦無を構えて敵に向かっていった。
敵と神崎の力量は五分五分だった。しかし、武器を持っていると言えど、ただ町へ出掛けるだけのはずだった神崎に対して、人を殺すための武器を一揃い持っている敵相手である。神崎は次第に追い詰められ、ついに致命的な傷を負ってしまうのだった。
しかし、もうダメだとここで諦める訳にはいかない。何も知らずに眠っているであろう浦風と三反田を守るためにも、ここで自分が負けてはいけないのだ。それに、まだ、次屋を見つけてていない。神崎を倒せたと敵が油断した隙を狙って、神崎は最期の力で苦無を握り締めると敵にとどめを刺したのだった。
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