好きなときに好きなだけ書いてます。
なんでも許せる方向け。
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※現ぱろ
先輩の部屋はいつもきちんと整頓されていて、その整然とした雰囲気は塵の一つさえ入る隙間を与えないかのように感じる。エアコンの無機質な風は物理的な涼を効率的に送ってくれるけれど、先輩の近くに座るだけで暑さとか湿気とかそんなどうでもいいことが感覚の中から排除される。
心地好い穏やかな空気が肺をいっぱいに満たして、僕はほぅ、と満足の吐息を零す。幸せのおすそ分け、とでも言おうか。
テスト期間は好きだ。勉強を教えてもらうという口実を思う存分発揮でき、今日もこうして二人分のノートと教科書を広げたらいっぱいになる、愛おしくも小さなテーブルを挟んで座ることができる。先輩の指は飾り気のないシルバーのシャープペンシルで、ベンゼン環を書き連ねていく。
一辺の歪みなく書かれた六角形に、OとHが結合しては分離し、また結合していく。 そのOとHに、僕は淡く嫉妬した。
僕だって、ホントはもっと手を伸ばしたいんだ。
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