好きなときに好きなだけ書いてます。
なんでも許せる方向け。
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ついったーでフォロワーさんに捧げたものです。
「予習もいいですけど、大概にしてくださいよ」
傷口に薬を塗り終えると、川西左近は決まってこう言う。仄かに薬草の香りがする保健室で、日に焼けたはずの彼の肌は、木の葉が全て落ちた今何もなかったような顔して白い。
その指が藤内の腕に包帯を巻き終えるまで、さほど時間はかからなかった。さすがい組と思う反面、もっと時間をかけてくれてもいいのに、とも思う。
「いつもありがとう」
「お礼より、ここにくる回数を減らす努力をしてください」
皺の寄った眉間と不機嫌そうに尖らせた唇が、本心じゃないことくらいわかってるさ。さっきといい今といい、本当に素直じゃない。
たまには先輩として灸でも据えてやろうかと悪戯心が起き上がってしまうではないか。藤内は怪我をしてない方の腕を伸ばした。
肩を引き寄せ、近くなった彼の額に唇を寄せた。
後はもう、逃げるだけ。
「じゃあね、左近。また来るから」
「に…っ、二度と来んな!!」
空しか捉えられなかった反撃の手と共に叫ぶ彼の声が、閉めてしまった障子の向こうから聞こえるが、知った事ではない。
ちょっとからかいすぎたかなと思いつつも、廊下を走る藤内の足は軽かった。
耳まで赤くなった彼など、そう拝めるものじゃない。
かわいいよね、浦風と川西。
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